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改装しました。 前途は相変わらず謎というか闇というか。
Posted by - 2024.09.28,Sat
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Posted by luneark. - 2011.06.16,Thu
しかしその教えを受けるものは一人
時間は一人分
体力は大分大目とはいえやはり一人分

では早速その様子を見てみよう

「……私の身長であの狭い入り口を通るのは無理がありますわお母様――――」
「いいえアルマ。この間家で体を折りたたんだ状態の貴方を計ったとき、その数値と
 茶室の入り口との間に12cmのクリアランスがあったでしょう?
 それはつまり、くぐることが可能であるという事です。では中で待っておりますよ。アルマ」
「それ計ったの下着姿ですわお母様。それに和服は結構嵩張りますわ………」

27分後、何とか茶室にて茶道の手ほどきを受けるアルマの姿があった。
しかし本人から「トランスフォーマーになりたいですわ……」という
茶道とは関係の無いコメントが飛び出したという事を付け加えておく。


「…回転が遅い!膝が逃げているぞ!」
「っく……ぅううっ!」
「チャージ!…どうした、それでチャージのつもりか?もっとだ!もっと強く且つ早く打ち込め!」
「んぐぁ――――――――――――!!!!」

「次!現状装備のままランニング!始め!」
「Ja(ヤー!)」

――――がしゃがしゃと鎧が独特の音を奏でる、その上。二階の書斎にて――――

「…随分と熱の入った指導ですわね」
「彼は私たちと違って、たまにしかアルマには会えないからだろうね。
 正直に言えば毎度毎度中々激しいメニューのようで少し心配だよ。特に今日は…」
「あら、まだまだですよ。あなた」
「…普通こういうものは、母が心配し父が大丈夫だ、と言う様なものだと思っていたよ
 特にニホンではそういうものだとばかり思っていたのだが…どうやら違うようだ」
「なんとなくですけれどね。タオルの投げどころは心得ているつもりですよ」

「はぁ、はっ、はっ、は…………」
「苦しくても呼吸を晒すな!自分のタイミングを敵に見せるのは愚か者の所業だ!」
「はいっ…!」

「…ところで、あの子余裕が無かったり感情的になると、日本語とドイツ語のどちらかが
 口から飛び出しますわね。どんな基準なんでしょう。少し気になりますわね」
「英語で無いのであればいい」
「あらあら。でも、私も賛成ですわ」

以前一度だけ、何の音か疑問を持った小学生が門の隙間から中を覗いて見た結果
目撃された絶賛トレーニング中のアルマにつけられたあだ名が「さまようよろい」
「全然彷徨ってませんわ…!」と返したいところだが本人にはそれを知る由も無い。


「……さて、魔法とはそもそも何か、という話だが……」
「…………」
「それは私にも良く解らない」
(ガタッ)
「まあ、勿論冗談を言っている訳ではない。そもそも、それが何でどうやって
 何がどうしてそうなるのか、即ち因果関係を理論付けて表すという行為が既に
 魔法を理解することと相反しているのだよ。
 …情報としてファイリングするのであればいいだろう。見聞録に記すにしても悪くない。
 しかしその手法でどれほどの魔法の事を知ったとしても、それは永遠に本物になることは無い。
 フルハイビジョンテレビの画質と同じぐらいの精密さを持った写実的な絵で虎を描いても
 それが決して本物の虎にならないのと同じことだ。
 しかも、炎や氷ならばまだしも、それそのものがわかりづらい星の魔法と来ている。
 アルマ、今お前が浮かべている怪訝そうな顔を、嘗て父から説明された私も
 その時浮かべていたのだろうね。そんな顔を」
「…確かに、星の魔法と言われても解り辛いですわ。
 有る意味ではメテオスォーム?と簡単にイメージを付けられますけれど…
 でも、皆さん結構忘れがちなことが一つあると思うんですわ」
「ほう、何かね?」
「地球も星のひとつ。地球と、地球の外の宇宙があるのではなく
 この地表の上で生きることもまた宇宙に生きることに他ならない、と」
「……正直、成した事の大きさでは既に私を越えていると思っているよ。アルマ」
「…それもこれも、あの時断腸の思いで手を下してくださったからですわ。お父様」

「…さて、ところで先週から蟹座の輝きが今ひとつなのだが…」
「あ」
「便利な只の道具ではないというのは、最初の最初に教えたと思ったが…ね?」
「さ、最近テスト勉強が忙しくて――――」






「…というわけで、お父様もお母様もお師匠様も慕っては居りますが
 私の心の安らぎは真美さん分括弧モフモフ含む括弧閉じるだけなのですわ――――」
「……た、大変ね…でもいいのよ?リクエストがあればモフらせてあげるわよ?変身する?」
「いえ、勝って、勝ってからモフりますわ……!」
「…そう。でも手加減はしないからね?まあ、これも今更だけど」
「望むところですわ――――っ♪」


それでも概ね、幸せな日々。
おしまい。
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Comments
全く。
「欲しがりません勝つまではなんていうけど意志が固いんだから」
「バトルの後じゃ疲れちゃって二人ともいつもばたんきゅーしてるのに」
「……私は楽しいから良いんだけれど」

唇に手を添えて、喉の奥で低く笑った。
Posted by まなみ。 - 2011.06.19,Sun 21:47:20 / Edit
そうですわねぇ…
「自分を省みると、結構頑固だと思うんですわ。
 多分この辺りは間違いなく…お母様に似たところですわね♪」
「その疲労感の中でもふもふをきゅーしてモフるのがよいのですわ…
 いえたぶんですけれど。だって実現したこと今の所無いですし。
 あ、でも最近暑い日が多いですから、ぎゅーされて暑くありません?
 わたくしは兎も角、真美さんがつらいかなぁ…と」

なにやら違う心配に行き着いた。
気をつけよう、毛皮は脱いだり、できないよ。
Posted by - 2011.06.26 at 22:08
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